Claude 5シリーズの選び方を考えてみた

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AIあやたびテックラボ
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こんにちは、綾祢です。

生成AIの話題を追いかけていると、モデルの名前が増えていく速さに、ときどき息が上がります。いまClaudeで選べるのは、Claude Sonnet 5、Claude Opus 5、Claude Fable 5、それから一世代前のClaude Opus 4.8。四つ並んだ名前を前にして、私はしばらく手が止まりました。

正直に言うと、私はこの四つが強い順に一列に並んでいるものだと思っていました。上から順に賢くて、下にいくほど安い。だから予算の許すいちばん上を選べばいい、と。

公式のページを順に開いていく作業は、出かける前に地図を広げるのに少し似ています。眺めているうちに、思っていた道と実際の道が違うことに気づく。今回もそうでした。四つは強さで並んでいるのではなく、想定している仕事の長さで分かれていたのです。

以下に書く仕様と料金は、2026年7月29日に公式ドキュメントのモデル概要料金で確認したものです。この種の情報はよく変わるので、実際に使うときはご自身で確認してください。

モデル概要
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強い順ではなく、任せる時間の長さで分かれていた

四つの位置づけを、公式の説明にそって並べ直してみます。

Claude Sonnet 5は、速さと賢さと料金の釣り合いを取ったところにいます。コーディングと、道具を使いながら進めていく作業に強いと書かれていて、ふだん使いの第一候補にしやすい性格です。

Claude Opus 5は、複数のファイルにまたがる作りこみや、大きな作り直しのような、難しくて長い仕事のために作られています。興味深いのは、公式が「最初に完全な仕様を渡して任せたときにいちばん力を出す」と書いている一方で、「一行直すような簡単な仕事では前の世代との差は小さくなる」とも認めている点でした。得意な形がはっきりしている、ということだと思います。

Claude Fable 5は、さらに別の想定でした。人がやったら数時間から数日、場合によっては数週間かかるような仕事を、ひとつづきで進めることを狙っています。公式には、簡単な仕事だけで試すとこのモデルの実力を低く見積もりやすい、とはっきり書かれていました。裏を返せば、短い用事に持ち出すと過剰になるということでもあります。

Claude Opus 4.8は一世代前ですが、古いから不要という書き方はされていません。長く動かし続ける作業や、資料を読んで整理する仕事に強く、いま動いている仕組みとの互換性や、うまくいかなかったときの逃げ先として今も役割があります。

料金も並べておきます。100万トークンあたりの米ドルで、入力と出力は別料金です。

モデル入力出力
Claude Sonnet 53ドル15ドル
Claude Opus 55ドル25ドル
Claude Fable 510ドル50ドル
Claude Opus 4.85ドル25ドル

ただしClaude Sonnet 5には、いま導入価格が出ています。公式の料金ページには「入力/出力トークン100万あたり$2/$10の導入価格は2026年8月31日まで有効で、その後は入力/出力トークン100万あたり$3/$15の標準価格が適用されます」と書かれています(2026年7月29日確認)。上の表に載せた3ドル・15ドルは、この期間が終わったあとの値です。

一度に読ませられる量は四つとも100万トークン、一度に書き出せる上限も四つとも12万8千トークンでした。つまり入れ物の大きさでは差がついていません。差は、中身の使い方のほうにあります。

効き方を決めていたのは、effortというひとつの設定でした

読んでいて、いちばん意外だったのがここです。

effortという設定があって、これがモデルの選択と同じくらい、場合によってはそれ以上に結果を左右します。指定できるのはmaxxhighhighmediumlowの五段階で、初期値は四つのモデルともhighでした。

ここで気をつけたいのは、effortが動かしているのはどれだけ考えるかであって、返ってくる文章の長さではないという点です。私はここを取り違えていました。公式ドキュメントには、こう書かれています。

エフォートパラメータは、モデルがどれだけ発言するかではなく、どれだけ思考するかを制御します。エフォートを下げると思考量は減りますが、目に見える応答を確実に短くすることはできません。応答の長さを制御するには、明示的にプロンプトで指示してください。

Claude Opus 5のプロンプティング「応答の長さと冗長性」より(2026年7月29日確認)

私はこれを、こういうことだと受け取りました。effortを下げれば考える量は減るので、その結果として返事が短くなることはある。でもそれは副産物であって、約束されてはいない。だから「返事が長いからeffortを下げる」というのは、狙った場所に効かないやり方でした。長さを変えたいなら、短く書いてくださいと文章で頼むほうが確実だということです。

つまみが二つあるのに、私はずっと片方を回して、別の場所が動くのを待っていたわけです。

もうひとつ、「考える」の初期状態がモデルごとに違っていました。Claude Opus 5とClaude Sonnet 5は、何も指定しなければ考えながら答えます。Claude Opus 4.8は逆で、明示的に頼まないかぎり考えません。Claude Fable 5にいたっては常に考えていて、止めることができません。世代を切り替えた瞬間に料金の感覚が変わるとしたら、たぶんこの「考える」の設定が効いています。

「念のため見直してください」を、消すことになりました

ここからは、自分の手元で起きたことです。

私はこれまで、AIに渡す指示のなかに「作業のあと、必ずもう一度見直してください」と書き足してきました。任せきりにするのが不安だったからです。ところがClaude Opus 5の公式解説には、その正反対のことが書かれていました。そういう見直しの指示は削除してください、と。

理由は、Claude Opus 5がもともと自分で見直すようになっているからでした。そこへ人間側からもう一度「見直して」と書き足すと、同じことを二重にやることになって、時間と料金だけが増える。品質は上がらない、とのことです。外側の仕組みでわざわざ確認の工程を足している場合も同じだと書かれていました。

同じ流れで、もうひとつ消しました。Claude Opus 5は前の世代より積極的に作業を別の担当へ振り分ける、という説明があって、それが向くのは本当に独立していて並行できる大きな調べものだけ、数回で終わる作業を振ると時間も料金も倍になる、と書かれていたのです。私の作業はほとんどが小さいので、振り分けは控えてもらうことにしました。

結局この日いちばん効いた変更は、新しいモデルに乗り換えることではなく、書き足してきたものを引くことでした。

長く任せる相手には、止まる条件のほうを渡す

Claude Fable 5の解説で、考え方として面白かったのがこれです。

数時間から数日かけて進めてもらう相手に、「何をするか」だけを渡しても足りません。どういうときに手を止めて人に聞くかを決めておかないと、途中で止まってしまうか、逆に聞かずに進みすぎるか、どちらかに転びます。

公式が挙げていた、止まるべき場面は三つでした。取り返しのつかない操作をするとき。頼まれた範囲そのものが変わるとき。そして、本人にしか答えられないことを聞く必要があるとき。それ以外で、元の依頼から自然に続くことは、いちいち確認せずに進めてよい、と書かれています。

これは、遠出のときに同行者と決めておくことに似ています。全部を相談しながら走ると進まないけれど、引き返す判断だけは共有しておきたい。あの線引きと、たぶん同じ話をしています。

ついでに書いておくと、Claude Fable 5は途中で考えている中身をそのままは返しません。要約するか、何も返さないかのどちらかで、初期状態は「返さない」でした。何を考えているか覗いて安心する、という使い方は、このモデルでは前提から外れています。任せるというのは、そういうことなのだと思います。

私はこう分けることにしました

ここから先は公式の記述ではなく、読んだうえでの私の判断です。品質の感じ方は仕事によって変わるので、そのまま真似が効くとは思っていません。

ふだんの原稿づくりと短い調べものは、Claude Sonnet 5にしました。速さと料金の釣り合いがよく、しかも指示を字面どおりに受け取ってくれます。この字面どおりが少し曲者で、一か所に書いた指示を勝手にほかへ広げてはくれません。だから私の側で「これは全部の見出しに適用してください」と範囲を書くようになりました。手間は増えましたが、予想外のことが起きなくなったぶん、結果として楽です。

構成ごと組み替えるような大きい作業は、Claude Opus 5です。ただし見直しの指示は消して、代わりに「ここから先はやらないでください」という線を書くようにしました。長さも自分で指定します。丁寧にやってくれる相手ほど、頼んでいない範囲まで整えてしまうことがあるので、境界線のほうが役に立ちます。

Claude Fable 5は、いまのところ出番が来ていません。私の作業はどれも数十分で終わるので、数時間から数日を想定した道具を持ち出す理由がないのです。強がりではなく、単純に仕事の大きさが違うのだと思っています。

Claude Opus 4.8は、いま動いている設定をそのまま使いたいときの控えとして残しています。Claude Fable 5には安全のための判定が入っていて、そこで断られたときの受け皿として、公式もClaude Opus 4.8を挙げていました。

✨ おわりに

四つの名前を前にして手が止まったのは、たぶん「いちばん良いものを選ばなければ」と思っていたからでした。でも読み終えてみると、選んでいたのは性能ではなく、任せる時間の長さと、止まってほしい場所だったように思います。

遠出の前に荷物を選ぶときと似ています。いちばん頑丈な装備が正解とは限らなくて、どこまで行くのか、途中で引き返すのはどういうときか、が決まってから荷物が決まる。順番が逆だと、荷物ばかりが重くなります。

しばらくはこの分け方で走ってみて、合わなくなったらまた考え直します。荷物と同じで、書き足すだけが手入れではなく、いらなくなったものを降ろすのも手入れなのだと思います。おかげで指示はずいぶん短くなりました。次はどこまで身軽にできるか、試してみるつもりです。

📎 参考リンク

※仕様・料金の確認日は2026年7月29日です。提供状況や価格は変わることがあるので、お使いになる際は公式ドキュメントで最新の情報をご確認ください。

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